介護食の食形態(常食、きざみ食、みじん食、ミキサー食)
2020年6月某日(撮影日)夕食のメニュー
この日はうなぎ!でした。いつも出るわけではありませんが、当日のメニューは以下の通りです。
- ごはん
- うなぎ
- 吸い物
- きゅうりの酢の物
- 奈良漬
まずは配膳する際の留意点(配膳マナー)を、次に、このメニューを例に介護食の食形態についてご説明いたします。
配膳する際の留意点(配膳マナー)
何かの拍子に手があたって汁物がこぼれたりするのを防ぐため、おかずの並べ方にも工夫しています。
配膳マナーでは、左手前にご飯、右手前に汁物、おかずは奥に左から副菜・副々菜・主菜の順番で並べますが、写真のように奥側に、飲み物や汁物を置くこともあります。
介護食の食形態
介護食とは
介護食とは、調理に工夫をこらして食べやすいようアレンジした食事のことです。
病気・障害や加齢とともに、かむ力や飲み込む力が低下していきます。介護食では、かみやすくするために大きさを調整します。
清瀬療護園では、ご利用者のかむ力と飲みこむ力に応じたいくつかの食形態で食事を提供しています。
食形態の種類
いくつもの食形態がある理由
ご利用者はそれぞれ疾病・障害が違うため、食事の形態も違ってきます。
1.誤嚥(ごえん)防止
飲み込む力が落ちた方が飲み込みやすくするために嚥下(えんげ)ゼリー、また食材がまとまらない場合には、とろみ剤で「とろみ」をつけたりします。
ポイントは
- 飲み込みやすいか
- 口の中でまとまりやすいか
口の中でまとまりがないまま飲み込んでしまうと、食材が誤って気官に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」の危険性が出てきます。
2.満足度向上への取り組み
常食→きざみ食→みじん食→ミキサー食の順に具材の大きさがこまかくなります。
- 具材の大きさ
- 具材の切り方
適切な大きさにカットして食べやすくすることで、食事への意欲が出てきます。食べることの満足度が上がり健康維持につながってきます。
常食(通常食・普通食)
一般的な食事です。ご利用者の好みに応じて、例えば、カット4等分にして配膳します。
きざみ食
きざみ食は、具材を小さく刻んで食べやすいサイズにした食事です。
写真は男性ご利用者のお膳です。ごはん(写真左下)の量は少なめです。同時に、高カロリーゼリー(写真左上)も召し上がっています。吸い物(写真右上)は「とろみ」を付けて提供し、具は召し上がる際にカットします。
みじん食
みじん食は、具材をきざみ食よりも更に小さく刻んだ食事です。
ご利用者によっては、職員がそばについて食事介助を行います。むせこみがないか、飲み込みはスムーズかなど注視してサポートしています。吸い物(写真右上)やお茶には「とろみ」を付けて提供します。
ミキサー食
ミキサー食は、具材をミキサーにかけてペースト状にした食事です。
ミキサー食を召し上がる多くの方は、職員が食事介助を行います。吸い物(写真右上)では具は召し上がらず、汁のみを召し上がることもあります。